- とある事件をきっかけにゲームの世界が具現化し、現実世界と結びついてしまう。そして後日、主人公の小学生
3人組、ナオト、ケンスケ、ミキはゲームの世界の勇者たちが魔王に倒されてしまったところに遭遇する。彼ら
から英雄の魂を受け継いだナオトたちは、彼らに代わって魔王を倒す旅に出る、というストーリーのRPG。
この作品の特徴は魔封システム。途中で魔封武器と魔封石というものが手に入るのだが、この2つを組み合わせ
ることで様々な効果を発揮する、というものである。数ターンに1度繰り出せる全体攻撃や強力な単体攻撃、ス
テータスアップなどの効果があり、状況によって使い分ける楽しみがある。また、炎が吹き上げたり、氷の結晶
が砕けたりする魔法のグラフィックもなかなか凝っている。説明書の面白さも好感度大。基本的に漫画で説明さ
れており、敵の組織図などの設定資料も記載されている。
しかしストーリーは、具現化したゲームの世界と現実世界を行き来して旅を進めていくという設定こそ面白いが
、一本道なのでやり込み要素や自由度は皆無。そして、戦闘では敵味方ともに与えるダメージが小さめで、体力
の削り合いのような展開になってしまうため、圧倒的な攻撃力で敵を次々となぎ倒す、というような爽快感は無
い。
ゲームボーイのRPGとしては出来がいい方だと思うが、1回クリアしたら十分で、2回3回とプレイしたくな
るほどの魅力は無い。また、主人公が小学生ということもあってか、全体的に幼さが漂っており年齢層は低いの
で、義務教育を終えた人には勧めにくい。ちなみに、私がプレイしたのは復刻版だが、初期版に比べて若干イベ
ントやモンスターが追加されているらしいので、今から購入するならこの復刻版の方がいいだろう。
(text by リドル)
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