- メガCDで発売された「ルナ ザ シルバースター」という作品がもと。その後「ルナ シルバースターストー
リー」というタイトルでプレイステーションとセガサターンでリメイクされており、今回が2度目のリメイクと
なる。
ドラゴンマスターと呼ばれる英雄にあこがれる主人公の青年アレスが、仲間とともに訪れた神殿で白竜ファイデ
ィからドラゴンマスターの素質を見出されたため、世界各地に存在する竜の試練を受けるため旅に出る、という
ストーリー。
私はこのゲームボーイアドバンス版しかプレイしていないので、今回のリメイクが成される前のことは知らない
が、いろんなサイトを回って調べてみると、戦闘が厳しいという意見がいくつか見られた。しかし、本作は戦闘
がかなり易しくなっている。むしろ易しすぎるくらいで、ラストボス戦でようやくまともな戦闘になるといった
感じである。はっきり言って歯応えは無いが、SDキャラが細かく動いてくれるし、必殺技を使うと専用のキャ
ライラストが挿入されるので、ビジュアル面では文句無しだ。
戦闘中の必殺技に限らず、重要なイベントでも専用のイラストが挿入される。また、会話シーンでは左下に顔イ
ラストが挿入され、笑ったり怒ったり困ったり、表情の変化を見せる。このように、本作は携帯ゲーム機ながら
イラストにかなりの力を注いでおり、キャラの魅力を十分引き出している。ストーリーは若干王道だが、ポンポ
ンイベントが進むので冗長な展開になることが無く、その中できちんと各キャラに見せ場が用意されており好印
象。
残念な点は、主人公のアレスとヒロインのルーナの存在感が薄いこと。アレスはおとなしい性格であまりセリフ
が無いし、ルーナは詳しくはネタバレになるので言えないが、とある事情で中盤以降はセリフがほとんど無い。
あとは多少なりともボイスは欲しかったところ。
カリスマ性には欠けるが、2度もリメイクされるだけあって安定した完成度を誇る。初プレイで約20時間、要
領が良ければ15時間以下でクリア可能なので、手軽にファンタジー世界を楽しみたい人にお勧めの作品だ。余
談だが、ルーナってタイトルのルナと掛けているのだろうか?
(text by リドル)
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