- RPGの草分け的存在であるATLUS(アトラス)初のシミュレーションRPGゲーム。
魔法や錬金術が存在する我々の住む世界とは違う「レーバ大陸」で物語が始まる。かつて世界を破壊せんと降臨した破壊神ディエジラーエは”古の英雄”達によって倒され、世界が救われた...。しかしその結果、呑み込んだものを白塵と化す「虚無の海」が現れ世界を恐怖で覆い尽くし、人々は絶望に打ちひしがれて理性を失っていく。しかし、『神の望みは滅びにこそある』という思想を広めたエクウェ教が理性を失った人々を恐怖より解き放ったが同時に人々から希望を奪っていった。そうして、希望無きままに死を待ち過ごす人々...。エクウェ教団が思想で人々を支配してから数百年後、突如現れた覇王ディグニス率いる覇王軍は『生きる気力を失った者には粛清を下す』という新たな理念の下、錬金術を用いてエクウェ教を崇拝する気力無き人々を次々に虐殺していった。レーバ大陸では「虚無の海」と「覇王軍」2つの脅威にさらされていく。遂に主人公の村にも脅威は達し、師と仰ぐ錬金術師ヴィゼとともに覇王軍に捕まってしまう。ヴィゼの協力を得た覇王軍には、錬金術によって大陸に存在する精霊を狩ることで「虚無の海」の進行を止める術を持っていたがそれは大地の力を奪い、結果的に虚無の海を完全に消し去ることが出来なかった。主人公は覇王軍の一戦士として精霊狩りを任されていたが、うすうす精霊狩りが世界を救う術ではないことに気付いていた。そんな頃、主人公は1人の少女と出会う。そして、少女の考えと自分の考えが同じことに気付いた主人公は覇王軍を抜け出し、自分なりに世界を救う旅に出るのであった。というのが大まかなストーリーです。笑える要素ゼロの超硬派なストーリー展開ですが、泣けるストーリーです。
一般的なシミュレーションRPGと同様に、目的地への移動や装備品・アイテムの売買や装備といった通常の行動はワールドマップで、また戦闘は3Dマップで進行される。また、戦闘に使用されるマップはキャラクターも3Dで表示されているのにもかかわらずキャラクターの動きが滑らかな事にまず驚いた。さすがはアトラスといったところ・・・。本作は戦闘に重点を置いているようで、戦闘に関係する特徴が多い。戦闘はAP(アクションポイント)が0になるまで何をしてもかまわないので行動の順番さえも自由に変えられる「究極の自由度」を持つ。また、アクション・サポート・Ez(範囲)という3つのスキルを駆使することで自分よりも高いレベルの敵にも勝てるようになっている。また、各キャラクターが持つEzスキルの範囲内に同じ敵を捕らえることで発生する連携攻撃はド派手なアクションと強烈なダメージを約束してくれる。しかも、特定のキャラクター同士が連携することで特殊なコンボが発生するのもニクイ演出である。
そしてアトラスといえば「合体」。やはりありました!アイテムや装備品は全て合成の材料にすることが可能で合成でしか作れない装備品やアイテムが存在する。しかも、低確率で”合成事故”も起きる。事故でしか得られないものもあるのでアイテムコンプリートのためにはどれくらい時間を浪費することやら...。
全体的に画の線が細いのが少し気になりましたが、その他の点は非の打ちようが無い良作です。購入を強くお奨めします。
(text by ウナギイヌ)
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